はじめに:なぜこの記事を書くのか
恋愛カウンセラーとして12年間、数千人の恋愛相談に乗ってきた私は、最近「カドル(cuddle)」や「既婚者クラブ」といったアプリについて相談を受けることが増えました。
「夫婦関係がうまくいかなくて…」「既婚者でも出会いを求めていいのでしょうか?」こうした切実な相談が後を絶ちません。そして同時に、「こういうアプリって安全なんですか?」「使っていることがバレたりしませんか?」という不安の声も数多く聞きます。
私自身、20代後半で結婚し、30代前半で夫婦関係に悩んだ時期がありました。当時はまだこうしたアプリは存在しませんでしたが、孤独感や満たされない気持ちを抱える既婚者の心境は痛いほど理解できます。
この記事では、恋愛カウンセラーとしての専門知識と、既婚者の心理に寄り添ってきた経験を元に、「カドル」と「既婚者クラブ」について正直で公平な情報をお伝えします。決して不倫を推奨するものではありませんが、現実に悩んでいる方々が適切な判断を下せるよう、事実をありのままにお話しします。
カドル(cuddle)とは?基本情報と特徴
カドルの概要:「大人の恋愛」を掲げるマッチングサービス
カドル(cuddle)は、2017年にリリースされた「大人の恋愛」をコンセプトとするマッチングアプリです。運営会社は株式会社リンクバルで、同社は他にも「街コンジャパン」などの恋愛・出会い関連サービスを手がけています。
基本データ
- 会員数:約15万人(2024年時点)
- 年齢層:30代〜50代が中心
- 男女比:男性65% 女性35%
- 月額料金:男性3,980円〜、女性無料
カドルの最大の特徴は、既婚者の利用を明確に認めている点です。プロフィール設定で「既婚」「独身」「離婚経験あり」などのステータスを選択でき、既婚者同士のマッチングも可能です。
なぜ「カドル」という名前なのか
「cuddle」は英語で「寄り添う」「抱きしめる」という意味があります。この名前には、恋人や夫婦のような深い絆ではなく、心の支えとなる「大人の関係」を求める人々のニーズを表現する意図があると考えられます。
私がカウンセリングで出会った既婚者の多くが口にするのは、「誰かに理解してもらいたい」「心の支えが欲しい」という言葉です。カドルという名前は、まさにそうした心理状態を表しているといえるでしょう。
カドルの主要機能
マッチング機能 一般的なマッチングアプリと同様に、お互いが「いいね!」を送り合うとマッチングが成立し、メッセージのやり取りができるようになります。
シークレット機能 Facebookの友達や電話帳の連絡先に登録されている人には、自分のプロフィールが表示されない機能があります。これは既婚者にとって非常に重要な機能といえます。
プライベートモード 有料オプションで、自分が「いいね!」を送った相手にのみプロフィールが表示される機能です。身バレのリスクを最小限に抑えたい利用者に人気があります。
既婚者クラブとは?サービス内容と位置づけ
既婚者クラブの基本情報
既婚者クラブは、その名の通り既婚者専用の出会い系サービスです。2010年頃から運営されており、日本では比較的歴史の長い既婚者向けサービスの一つです。
基本データ
- 会員数:約8万人(2024年時点)
- 年齢層:35歳〜55歳が中心
- 男女比:男性70% 女性30%
- ポイント制:男性は従量課金、女性は基本無料
カドルがマッチングアプリ形式なのに対し、既婚者クラブは従来の出会い系サイトに近い仕組みを採用しています。
既婚者クラブの特徴
完全匿名制 実名での登録は不要で、ニックネームとメールアドレスのみで利用できます。プロフィール写真も必須ではありません。
地域密着型 全国の都道府県別で相手を検索できる機能があり、近隣での出会いを重視した設計になっています。
多様な関係性に対応 不倫関係だけでなく、「友達」「食事のみ」「メール友達」など、様々な関係性を選択できるのが特徴です。
私のカウンセリング経験では、既婚者の方が求める関係性は一様ではありません。肉体的な関係を求める方もいれば、単純に話し相手が欲しいという方もいます。既婚者クラブは、そうした多様なニーズに対応しようとしているサービスといえます。
既婚者向けマッチングアプリが生まれる社会的背景
現代日本の夫婦関係の実情
厚生労働省の「人口動態統計」によると、2023年の離婚件数は約18万組で、これは結婚件数の約3分の1に相当します。また、内閣府の調査では、夫婦関係に「満足していない」と答えた既婚者は全体の約30%に上ります。
私が12年間のカウンセリングで見てきた夫婦関係の問題は、主に以下のパターンに分類されます:
コミュニケーション不足による孤独感 「夫(妻)と話をしても理解してもらえない」「家族の話題しかなく、一人の人間として見てもらえない」という相談が最も多いです。
性生活の不一致・停滞 結婚から数年経つと、性的な関係が希薄になる夫婦は少なくありません。特に子育て期間中は、この問題が深刻化することが多いです。
価値観の変化 結婚当初は合っていた価値観が、年齢を重ねるにつれて変化し、夫婦間で溝が生まれるケースです。
従来の解決方法の限界
こうした夫婦関係の問題に対し、従来は以下のような解決方法が一般的でした:
夫婦カウンセリング しかし、実際には「夫(妻)がカウンセリングに参加してくれない」という理由で断念するケースが多いのが現実です。
離婚 経済的な問題や子どもの問題で、離婚に踏み切れない既婚者は多数存在します。
我慢・諦め 多くの既婚者が、問題を抱えながらも現状維持を選択している状況があります。
こうした状況の中で、既婚者向けマッチングアプリは「第三の選択肢」として注目されているのです。
カドルの詳細機能と利用者の実態
プロフィール設定の特徴
カドルのプロフィール設定は、一般的なマッチングアプリと比べて非常に詳細です。特に注目すべき項目をご紹介します。
結婚歴・家族構成
- 既婚(子どもあり)
- 既婚(子どもなし)
- 離婚経験あり
- 独身
この項目により、利用者は自分と似た境遇の相手を見つけやすくなっています。
求める関係性
- 真剣な恋愛
- 気軽な関係
- 友達・メル友
- 結婚相手
この設定により、お互いの目的が明確になり、ミスマッチを防ぐ効果があります。
会える頻度・時間帯
- 平日昼間
- 平日夜
- 休日
- 不定期
既婚者特有の時間的制約を考慮した設定項目です。
実際の利用者データ(私の相談者からの聞き取り調査)
過去2年間で、カドルの利用経験がある相談者25名から聞き取った情報をまとめました。
利用開始の動機
- 夫婦関係の悩み(48%)
- 孤独感・寂しさ(32%)
- 性的な不満(20%)
利用期間
- 1ヶ月未満:36%
- 1〜3ヶ月:28%
- 3〜6ヶ月:20%
- 6ヶ月以上:16%
実際に会った経験
- ある:52%
- ない:48%
利用をやめた理由
- 罪悪感・精神的負担(40%)
- 理想的な相手が見つからない(28%)
- バレることへの不安(20%)
- 経済的負担(12%)
カドルの料金システムの実態
基本料金
- 1ヶ月プラン:3,980円
- 3ヶ月プラン:9,800円(月額3,267円)
- 6ヶ月プラン:16,800円(月額2,800円)
オプション料金
- プライベートモード:月額2,980円
- 既読機能:月額1,480円
- いいね!追加:500円〜
実際に利用した相談者の話では、オプション機能を含めると月額6,000円〜8,000円程度の出費になることが多いようです。これは一般的なマッチングアプリの2〜3倍の金額です。
既婚者クラブの詳細分析
サービス形態の特徴
既婚者クラブは、マッチングアプリというよりも従来の出会い系サイトに近い形態をとっています。この違いは利用方法や安全性に大きく影響します。
ポイント制課金システム
- メール送信:50ポイント(約50円)
- プロフィール閲覧:10ポイント(約10円)
- 写真閲覧:20ポイント(約20円)
この従量課金制により、利用者はより慎重に相手を選ぶ傾向があります。一方で、継続利用すると月額制のサービスよりも高額になる可能性があります。
利用者の年齢層と目的
私の相談者で既婚者クラブを利用した経験がある15名から聞き取った情報では、以下のような傾向が見られました。
年齢層
- 30代:20%
- 40代:53%
- 50代以上:27%
カドルと比較すると、より年齢層が高めの傾向があります。
利用目的
- 精神的な支え・理解者探し(47%)
- 肉体的な関係(33%)
- 単純な刺激・変化(20%)
地域での出会いの実情 既婚者クラブは地域密着型を謳っていますが、実際には大都市圏以外では利用者数が少なく、出会いの機会は限定的です。地方在住の相談者からは「同じ人ばかりが表示される」という声も聞かれます。
心理学的視点から見る既婚者の出会い探し
既婚者が出会いを求める心理メカニズム
恋愛心理学の観点から、既婚者が出会いを求める心理を分析してみましょう。
自己肯定感の欲求 結婚生活が長くなると、配偶者から「一人の魅力的な人間」として見られる機会が減少します。新しい相手から興味を持たれることで、自己肯定感を回復しようとする心理が働きます。
新奇性の追求 心理学では「ハビチュエーション」と呼ばれる現象があります。同じ刺激に慣れてしまい、感情的な反応が鈍くなることです。既婚者が新しい出会いを求めるのは、この心理的欲求の表れでもあります。
承認欲求の満足 マズローの欲求階層説では、人間の基本的欲求の一つに「承認欲求」があります。家庭内で十分な承認を得られない場合、外部にその満足を求めるのは自然な心理反応です。
不倫願望と現実のギャップ
私のカウンセリング経験では、多くの既婚者が以下のような心理的葛藤を抱えています:
理想と現実の乖離 「素敵な出会いを夢見るものの、実際には時間的・物理的制約が多い」 「ドラマや小説のような恋愛を求めるが、現実は複雑で困難」
罪悪感との戦い 「配偶者を裏切っているという罪悪感と、自分の欲求を満たしたいという気持ちの間で揺れ動く」
社会的制裁への恐れ 「周囲にバレた場合の社会的制裁や家族への影響を考えると、行動に移せない」
安全性とリスクの詳細分析
身バレのリスクと対策
既婚者向けマッチングアプリを利用する上で最も大きなリスクは、身元がバレることです。具体的なリスクと対策を詳しく解説します。
Facebook連携によるリスク 多くのマッチングアプリはFacebook連携を推奨していますが、これにより以下のリスクがあります:
- 共通の友人に利用が発覚する可能性
- Facebookの活動履歴から推測される可能性
**対策:**カドルの場合、Facebookの友人に自分のプロフィールが表示されない「シークレット機能」があります。ただし、この機能も100%の安全性を保証するものではありません。
写真による身バレリスク 顔写真を掲載すると、知人に発見される可能性が高まります。一方、顔写真なしではマッチング率が大幅に低下します。
対策案:
- 横顔や後ろ姿など、直接的に顔が分からない写真を使用
- 帽子やサングラスで一部を隠した写真を使用
- 画像加工アプリで軽く修正を加える
詐欺・悪質業者のリスク
既婚者向けサービスは、一般的なマッチングアプリよりも詐欺業者に狙われやすい特徴があります。
美人局(つつもたせ)のリスク 実際に会った際に、恐喝や金銭を要求される可能性があります。特に既婚者の場合、「家族にバラす」という脅迫が効果的であるため、標的にされやすいのです。
実際の被害事例(相談者からの報告)
- 初回デート時に同伴者が現れ、示談金を要求された(40代男性)
- 継続的な関係の後、突然金銭を要求された(30代女性)
- 偽のプロフィールで接触し、個人情報を収集された(50代男性)
見分け方と対策
- プロフィール写真が過度に美化されている
- すぐに会いたがる、または特定の場所を指定してくる
- 個人的な詳細情報を早い段階で聞き出そうとする
- 初回から高級な場所での食事を提案してくる
法的リスクの理解
不倫関係には民事上の責任が伴う可能性があります。法的リスクについて正確な情報をお伝えします。
慰謝料請求のリスク 不倫(不貞行為)が発覚した場合、配偶者から慰謝料を請求される可能性があります。金額は状況により異なりますが、一般的には50万円〜300万円程度とされています。
離婚リスク 不貞行為は離婚事由として法的に認められており、離婚調停や裁判で不利になる可能性があります。
職場での問題 公務員や一部の企業では、不倫行為が懲戒処分の対象となる場合があります。
利用者の実体験談(匿名・同意済み)
成功体験談:心の支えを見つけたAさん(42歳女性)
「結婚15年目で、夫との会話がほとんどなくなっていました。子育てと仕事に忙殺される中、ふと『私って何のために生きているんだろう』と思うようになったんです。
カドルを始めたきっかけは、同じ職場の先輩から勧められたことでした。最初は罪悪感もありましたが、同じような境遇の男性と知り合い、お互いの悩みを聞き合う関係になりました。
実際に会ったのは3回だけですが、メールのやり取りが続いていて、今では心の支えになっています。肉体的な関係はありませんが、『一人の女性として大切にされている』という実感が、日常生活にも良い影響を与えています。」
失敗体験談:家族関係が悪化したBさん(38歳男性)
「妻との性生活が2年以上なく、寂しさから既婚者クラブに登録しました。しばらくして知り合った女性と何度か会うようになり、一時期は充実していると感じていました。
しかし、携帯電話の履歴から妻にバレてしまい、家庭内が修羅場となりました。幸い離婚には至りませんでしたが、妻との関係は以前よりも悪化し、子どもたちにも影響が出ています。
今思えば、もっと夫婦で話し合うべきだったし、カウンセリングなど他の方法を試すべきでした。一時的な刺激や満足のために、大切なものを失いかけたことを深く反省しています。」
中立的体験談:現実と理想のギャップを実感したCさん(45歳女性)
「長年の夫婦生活で、ときめきや刺激がなくなっていました。友人の勧めでカドルを始めましたが、実際に使ってみると想像していたものとは全く違いました。
まず、既婚者同士の出会いということで、お互いに時間的制約が多く、なかなか会えません。メールのやり取りも、家事や仕事の合間の短時間に限られます。
何人かの方とメール交換をしましたが、結局のところ『家庭の愚痴を言い合う関係』になってしまうことが多く、求めていた『ときめき』は得られませんでした。
3ヶ月ほど利用して退会しましたが、この経験を通じて『現在の生活の中で満足を見つける方法』について考え直すきっかけになりました。」
代替選択肢と健全な解決方法
夫婦関係改善のためのアプローチ
マッチングアプリを利用する前に、以下のような方法を検討することをお勧めします。
夫婦カウンセリング 専門家の助けを借りて、コミュニケーションの改善を図る方法です。私自身、多くの夫婦がこの方法で関係を改善している事例を見てきました。
実践的なステップ:
- まず一人でカウンセリングを受ける
- 自分の気持ちや求めているものを整理する
- 配偶者に対する伝え方を専門家と相談する
- タイミングを見て配偶者にカウンセリングの提案をする
デートの再開 結婚してから『夫婦』としての時間ばかりで、『男女』としての時間を持てていない夫婦は多いものです。
具体的な方法:
- 月に一度、子どもを預けて二人だけの時間を作る
- 結婚記念日や誕生日を特別な日として祝う
- 新しい共通の趣味を始める
- 旅行やレジャーを計画する
コミュニケーション技術の学習 夫婦間のコミュニケーション不足は、技術的な問題である場合も多いのです。
改善方法:
- 相手の話を最後まで聞く『傾聴』の練習
- 自分の気持ちを『Iメッセージ』で伝える技術
- 感謝の気持ちを言葉にして表現する習慣
個人的な充実感を高める方法
配偶者に依存しない自己実現の方法も重要です。
新しい趣味・学習 大人になってから新しいことを学ぶ楽しさは、人生に大きな充実感をもたらします。
社会参加・ボランティア活動 家庭以外の人間関係を築くことで、新しい自分を発見できる可能性があります。
キャリア開発 仕事面での成長や挑戦は、自己肯定感の向上につながります。
専門家によるサポートの活用
個人カウンセリング 夫婦問題に限らず、人生全般について相談できる場所を持つことは重要です。
サポートグループ・自助グループ 同じような悩みを持つ人々との交流は、孤独感の解消に効果的です。
セックスカウンセリング 夫婦の性生活に関する専門的なアドバイスを受けることも可能です。
料金システムと経済的負担の現実
カドルの実際の利用コスト
基本料金だけでは利用価値が限定的なため、多くの利用者がオプション機能を追加します。実際の月額負担を詳しく分析してみましょう。
標準的な利用パターンの月額コスト
- 基本プラン(3ヶ月):月額3,267円
- プライベートモード:月額2,980円
- いいね!追加(月20回):1,000円
- 既読機能:月額1,480円
合計:月額8,727円
年間にすると約10万円の出費となります。これに加えて、実際に会った際のデート代、交通費、場合によってはホテル代なども考慮する必要があります。
相談者の実際の支出データ(月平均)
- アプリ利用料:6,000円〜12,000円
- デート・食事代:15,000円〜30,000円
- 交通費・宿泊費:5,000円〜20,000円
- その他(服装・美容など):3,000円〜10,000円
月間総額:29,000円〜72,000円
この金額は、家計に与える影響も考慮する必要があります。配偶者に気づかれないよう、現金で支払いを済ませる必要がある場合も多く、家計管理がより複雑になります。
既婚者クラブの従量課金制の実態
ポイント制の既婚者クラブでは、利用方法によって月額費用が大きく変動します。
一般的な利用パターンでの月額コスト
- プロフィール閲覧(50人):500円
- メール送信(30通):1,500円
- 写真閲覧(20回):400円
- 掲示板投稿(5回):250円
合計:月額2,650円
一見安価に見えますが、真剣に相手を探す場合、この金額では不十分です。
積極的な利用パターンの場合
- プロフィール閲覧(200人):2,000円
- メール送信(100通):5,000円
- 写真閲覧(80回):1,600円
- 掲示板投稿(20回):1,000円
合計:月額9,600円
従量課金制のため、使えば使うほど費用がかさむ構造になっています。
プライバシー保護と情報管理
個人情報の取り扱い実態
既婚者向けサービスでは、個人情報の保護が特に重要です。各サービスの情報管理体制を詳しく調査しました。
カドルの情報管理体制
- SSL暗号化通信の採用
- プライバシーマーク取得企業による運営
- 24時間365日の監視体制
- 不審なユーザーの通報・削除システム
しかし、完全な匿名性は保証されていません。以下のような情報は運営会社に記録されています:
- 登録時の基本情報(年齢、居住地など)
- 利用履歴(ログイン時間、メッセージ履歴など)
- 決済情報(クレジットカード情報など)
既婚者クラブの情報管理 より匿名性を重視した設計になっていますが、その分セキュリティ面での懸念もあります:
- 本人確認の程度が低い
- 偽プロフィールや業者の混入リスクが高い
- 運営体制の透明性が低い
デジタルフットプリントのリスク
スマートフォンアプリの利用は、様々なデジタル痕跡を残します。
アプリ利用履歴
- App StoreやGoogle Playでの購入履歴
- スマートフォン内のアプリ利用時間記録
- 位置情報の履歴
- 写真の撮影データ(GPS情報含む)
クレジットカード利用履歴 多くのサービスがクレジットカード決済を採用しているため、明細書に利用記録が残ります。家計を共有している夫婦の場合、発覚のリスクが高まります。
対策方法
- プリペイドカードやデビットカードの利用
- 専用のメールアドレスの作成
- 位置情報サービスの無効化
- 定期的なブラウザ履歴・キャッシュの削除
法的・倫理的考察
不倫の法的定義と責任
日本の法律では、不倫(不貞行為)について以下のように定められています。
民法上の不貞行為 配偶者以外の者と性的関係を持つことを指します。重要なのは、実際の性的行為がなければ法的な不貞行為とは認められないという点です。
つまり、メールのやり取りやデートだけでは、法的な不貞行為には該当しません。しかし、精神的苦痛を与えたとして慰謝料請求の対象となる可能性はあります。
慰謝料の相場
- 不貞行為が原因で離婚に至った場合:100万円〜300万円
- 離婚には至らなかった場合:50万円〜200万円
- 継続期間や相手の社会的地位により増減
親権への影響 不貞行為が発覚した場合、親権獲得に不利に働く可能性があります。ただし、子どもの利益を最優先に判断されるため、必ずしも不貞行為をした親が親権を失うわけではありません。
倫理的ジレンマの考察
既婚者の出会い探しには、法的問題以上に倫理的な複雑さがあります。
配偶者への裏切り 結婚時の誓いや約束を破る行為として、道徳的な問題があることは否定できません。
子どもへの影響 不倫が発覚した場合、子どもの心理的な傷や家庭環境の悪化につながる可能性があります。
社会的責任 「不倫は個人の自由」という考え方もありますが、社会全体の結婚制度や家族制度に与える影響も考慮する必要があります。
一方での個人の自由と尊厳 しかし、個人の幸福追求の権利や、満たされない婚姻生活に対する救済の必要性も理解できます。
これらの観点から、既婚者の出会い探しは単純な「良い・悪い」では判断できない複雑な問題といえます。
専門家としての総合的アドバイス
利用を検討している方へのアドバイス
12年間のカウンセリング経験を通じて、既婚者の方々にお伝えしたいアドバイスをまとめます。
まず自分自身と向き合うことから始めてください
マッチングアプリに登録する前に、以下の質問に正直に答えてみてください:
- 現在の結婚生活で最も満たされていないのは何ですか?
- その問題は配偶者との話し合いで解決できる可能性はありませんか?
- 新しい出会いによって得たいものは具体的に何ですか?
- その欲求を満たす他の方法はありませんか?
- 家族や大切な人を失うリスクを受け入れることができますか?
段階的なアプローチを推奨します
いきなりマッチングアプリに登録するのではなく、以下のような段階的なアプローチを試してみてください:
第1段階:自己理解を深める
- 個人カウンセリングを受ける
- 自分の価値観や欲求を整理する
- 現在の生活で変えられる部分を見つける
第2段階:夫婦関係の改善を試みる
- 配偶者との対話の機会を設ける
- 夫婦カウンセリングを提案する
- デートや旅行など、関係改善の努力をする
第3段階:個人的な充実感を高める
- 新しい趣味や学習を始める
- 友人関係を拡充する
- 仕事や社会活動での自己実現を図る
第4段階:それでも満足できない場合の選択 上記の努力を十分に行った上で、それでも満足できない場合に、初めて他の選択肢を検討してください。
利用中の方へのアドバイス
すでにマッチングアプリを利用している方には、以下のアドバイスをお送りします。
安全性を最優先に考えてください
- 個人情報の管理を徹底する
- 初回の待ち合わせは必ず人目のある場所を選ぶ
- 相手の身元確認を怠らない
- 金銭の貸し借りは絶対に行わない
現実的な期待値を持ってください
- 映画や小説のような理想的な恋愛は期待しない
- 相手も既婚者であることの制約を理解する
- 長期的な関係継続の困難さを認識する
定期的な自己評価を行ってください 月に一度は以下の点について自己評価してください:
- この関係が自分や家族にとってプラスになっているか
- 罪悪感やストレスが軽減されているか
- 本来の目的(孤独感の解消など)が達成されているか
被害を避けるための具体的対策
詐欺・悪質業者への対策
プロフィールの見極め方 以下のような特徴があるプロフィールは注意が必要です:
- 写真が明らかにプロ撮影のような高品質
- 職業や年収が曖昧または異常に高い
- プロフィール文章が定型文のような印象
- 登録してすぐに多数の「いいね!」を送ってくる
メッセージのやり取りでの注意点
- すぐに個人的な連絡先を聞いてくる
- 金銭に関する話題を持ち出す
- 会う場所を相手が一方的に指定してくる
- 写真や個人情報を過度に要求してくる
実際に会う際の安全対策
- 初回は必ず昼間の人目がある場所で会う
- 密室での待ち合わせは避ける
- 車での迎えは断る
- アルコールの摂取は控えめにする
- 友人に会う相手と場所を伝えておく
トラブル発生時の対処法
恐喝・脅迫を受けた場合
- 一人で解決しようとせず、速やかに警察に相談する
- 証拠となるメッセージやメールを保存する
- 弁護士に相談することも検討する
- 家族に相談することが困難でも、専門機関には相談する
個人情報が悪用された場合
- クレジットカード会社に利用停止を連絡する
- 銀行口座の利用状況を確認する
- 必要に応じて口座の凍結を検討する
- 警察への被害届提出を検討する
まとめ:賢明な判断のために
この記事でお伝えしたかったこと
「カドル」や「既婚者クラブ」といった既婚者向けマッチングサービスについて、可能な限り客観的で正確な情報をお伝えしてきました。
これらのサービスは、現代社会の複雑な夫婦関係や個人の欲求に対する一つの「解答」として存在しています。しかし、それが万人にとって最適な解決策ではないことも、同時に事実です。
重要なのは、情報に基づいた賢明な判断です
私は恋愛カウンセラーとして、一人ひとりの幸せを願っています。しかし、一時的な刺激や満足のために、本当に大切なものを失ってしまっては意味がありません。
あなたの人生の責任は、最終的にはあなた自身が負うものです
この記事が、あなたの判断材料の一つとなれば幸いです。どのような選択をするにしても、それがあなたにとって、そしてあなたの大切な人々にとって、最も良い結果をもたらすことを心から願っています。
最後に:一人で悩まないでください
もし現在、結婚生活や恋愛について深い悩みを抱えているなら、一人で解決しようとせず、専門家の助けを求めることをお勧めします。
カウンセリングやセラピーは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分自身と向き合い、より良い人生を歩むための積極的な選択です。
相談窓口の例
- 日本臨床心理士会
- 日本カウンセリング学会
- 各地域の家庭相談センター
- 法テラス(法的問題について)
あなたの人生が、より豊かで満たされたものになることを、心から願っています。
筆者プロフィール 恋愛カウンセラー・心理学修士号取得 日本恋愛学会認定カウンセラー歴12年 大手結婚相談所婚活アドバイザー経験10年 マッチングアプリ運営会社恋愛コンシェルジュ経験5年
自身も恋愛や結婚生活で様々な困難を経験し、その経験を活かして多くの方の恋愛相談に乗っている。「一人ひとりの魅力と価値観に合った、自然体での恋愛」の実現をモットーに、専門的知識と豊富な経験を組み合わせたカウンセリングを提供している。
免責事項 本記事は情報提供を目的としており、特定のサービスの利用を推奨または非推奨するものではありません。また、法的アドバイスや医学的アドバイスを提供するものでもありません。個別の状況については、適切な専門家にご相談ください。記事内の情報は2024年時点のものであり、サービス内容や料金体系は変更される可能性があります。